いつもありがとうございます。
オクトサービス太野です。
今日はタイトルの通り「接地圧」について考えていきたいと思います。
この「接地圧」。あまりなじみがない方が多いと思います。
なんかちょっと面白くなさそうだなと思って今、画面を閉じようとしたそこのあなた!
質問です。
縄文時代に竪穴住居が誕生してから2020年現在まで、住宅は何の上に建っているでしょうか?
答えは地面です。
え?何言ってんの?と思うかもしれませんがここが重要なポイントです。
おそらくまだこの先の未来でも地面の上に建つことでしょう。
その地面と住宅の関係を考えたときに大切になるのが「接地圧」となるわけです。
ではこの「接地圧」とは何か?
「接地圧」とは、簡単に説明すると接地面に対して作用している単位面積当たりの荷重(重さ)の事です。
この荷重(重さ)だけで考えるならば、今回の登場人物で一番重いのは住宅だ!
なーんてことは言うまでもありませんね。
しかし、、、
接地圧として考えるとどうなるか?というのが今回のお話です。
では、早速本題に入っていきたいと思います。
先述した通り接地圧とは、接地面に作用する単位面積当たりの荷重(重さ)です。
KN/㎡の単位で表されていることが多いですが、物体の重さを接地面積で割ってあげれば、この単位面積当たりの荷重(接地圧)がわかります。
ポイントは単位面積当たりってことなんですね。
おっと、その前に。
もやっとしている方がいるかもしれないのでもう一つ説明しておきます。
よく似た言葉で「地耐力」がありますが、これは単位面積あたりにどれだけの荷重に耐えられる力がこの地面にあるのか?を表すものです。
当然、接地圧より地耐力が低ければ物体は沈みますし、逆にこの地耐力が上回っていれば沈むことはありません。
ですので、私たち地盤を専門としている会社は地耐力がどれだけあるのかを調査して、地耐力が不足していれば「接地圧<地耐力」となるように設計をして、地盤改良工事を行っております。
では、不同沈下を起こさないためにも住宅の接地圧についてここから考えていこうと思いますが
「住宅だけを取り上げても単位もよくわからないしイメージがわかないよ。」
と聞こえてきそうなのでタイトルの通り今回は下のお三方にご協力いただきました。
お前かよ!
というツッコミはひとまず無視します。(笑)
まずは住宅から。
一般的なベタ基礎木造住宅は延べ床面積30坪≒100㎡(各階15坪≒50㎡の総2階建て)で30tくらいの重さがあります。
当然これよりも家が大きくなればもっと重くなりますが、大きくなった分だけ基礎面積も増えるので、単位面積当たりの荷重は約0.6t/㎡となります。
これに基礎などの重さを加えると大体1t/㎡くらいの重さとなります。
最後によく用いられているKN(キロニュートン)に換算すると、10KN/㎡の接地圧となります。
では次に猫ちゃんで考えましょう。
知人が飼っている猫ちゃんの体重は4㎏で足の大きさ(肉球部分)を計測してもらったところおよそ2㎠でした。4本足で支えているので1本の足にはおよそ1㎏の荷重がかかっていることになります。
これを〇t/㎡で計算すると5t/㎡となります。
つまりKN/㎡にそろえると猫ちゃんは50KN/㎡の接地圧があります。
じゅ、住宅の5倍、、、
確かに膝の上とかに乗られるとぎゅーっと踏まれている感じしますもんね。
逆にあの感覚の5分の1が住宅の荷重ということですか!
んー今の例えはいまいちピンときませんかね。(笑)
最後に私の登場です。(笑)
先日体重計にのったところ体重は70㎏でした。
足の幅をならすと約8㎝、足の大きさは28㎝ありましたので、面積としては224㎠の大きさとなります。
猫ちゃんと同様に計算すると1.6t/㎡、KN/㎡でそろえますと16KN/㎡の接地圧となります。
こんなスリムな私でも?住宅よりも接地圧が高いんですね。(笑)
それでは最終結果発表です。
接地圧ランキング
1位 猫
2位 太野
3位 住宅
このような結果となりました。
住宅って意外と軽いんだなぁ~と思われた方が多いのではないでしょうか?
この結果だけで考えると、人が地面に立って沈まなければ住宅は傾かないから、地盤改良工事なんていらないんじゃない?と考える方もいらっしゃるかと思います。
しかし、
単純な計算をしたこの接地圧だけで考えてしまいすと、不同沈下を発生させてしまう恐れがあります。
次回のコラムでは、今回の登場人物が接地したその地面の下の地盤にどんな影響を与えているのかについてお話しさせていただきたいと思います。
では、次回更新をお楽しみに!