いつもありがとうございます。
オクトサービス太野です。
今回は前回コラムに記載した「接地圧」の続きです。
単位面積当たりの荷重について前回取り上げた際に、「住宅」「太野」「猫ちゃん」の順番で接地圧は低いという結果になりましたが、
実際に接地圧が低ければ沈下しないというわけではない。
という「矛盾」みたいなことを今回のコラムで解決?したいと思います。
では早速。
接地圧の時にご紹介した「住宅」の重さ、についてです。
接地圧が低い住宅ですが、当然重さがないわけではありません。30tくらい(木造総2階30坪程度)の重さが地盤に伝わっているわけですが、その住宅と地面が接している部分には皆さんご存知の基礎があります。
岩手県では、ほとんどの住宅が布基礎かベタ基礎のどちらかで施工されていますが、今回はそれぞれの基礎の地盤への力の伝え方を見ていきたいと思います。
どちらも見るということは……何かありますねこれは!(笑)
ということで簡単に見える化するためにこんな模型を作ってみました!
仕上がりについてのツッコミは受け付けておりません。(笑)
それではこの模型にそれぞれ荷重をかけてみたいと思います。
地盤に荷重が伝わっている「範囲」に注目してください。
んんっ!
何となく布基礎の方が沈下するんじゃないかと思っていましたが、ベタ基礎の方が明らかに沈んでいます。
実は、地盤への力(荷重)の伝わり方は
「基礎底版下に圧縮されたくさび型の土ができ、そのクサビが周囲の地盤を割って押し広げて、沈下・破壊が進む」
と説明されています。また、その時地盤の深部には「2:1」の比率で拡散するとされています。
つまり
こういうイメージですね。
また、基礎底版下からの地盤への影響範囲は
・布基礎・・・底版幅の2倍
・ベタ基礎・・・2m
とされています。(小規模建築物基礎設計指針)
つまり、この深度に基礎の根入れ深さを足した深度が荷重を受ける最下端となりますので、その範囲に軟弱地盤があると沈下してしまうということになるんですね。
さらに、ここに盛土があった場合。
土の重さは約50㎝で住宅1棟分の重さがあります。1mの盛土がある宅地で住宅を建てた場合には、建てた住宅と合わせて3等分の重さが盛土下の地盤に荷重がかかっているということになるんですね。
現場の立地などの条件にもよりますが、以上のことをを踏まえて考えると表層から4m位まで、軟弱層がある場合には注意が必要だ。と考えられます。
では、これらを踏まえて、、、忘れかけていた登場人物の「猫ちゃん」と「太野」の荷重の影響範囲は、足の大きさから考えると、住宅の比ではないくらい浅い範囲でしか荷重は伝わっていないということになります。
(細かい説明はもういらないと思いますので省略します。笑)
前回のコラムで取り上げた接地圧だけで考えると、猫ちゃんはズブズブと地盤に沈んでいくことになっちゃいますが、実はそうではないというのが今回の結論です。
いくら接地圧が低く、構造物としては軽い住宅といっても、「荷重の影響範囲」等から不同沈下のリスクを考えたときに地盤は楽観視できなくなります。
目に見えない地盤で起こっている、目に見えない影響を頭に浮かべながら、不同沈下防止に努めていきましょう。